No.1192913

涙は渇かない三話

家庭教師ヒットマンリボーンの二次創作です。
ツナと幼馴染で青春を送ります。中編です。

2026-09-07 05:57:48 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:60   閲覧ユーザー数:60

第三話「ツナと不良」

 

 朝六時からのトレーニング。慣れるまでの間、まずは軽く準備運動をして、そこから走り込み。

 昨晩はツナと夜更かししてしまったこともあり、私はもうヘトヘトだったけれど……ツナの方がさらにグッタリしていた。

 リボーンは「不調がない限り、毎日だ」と涼しい顔で言い放ち、ツナは「うへっ」と情けない声をあげていた。あれはもう、逆らう気力すらないんだろう。まあ、また叩かれたくないんだろうな……。

 

 朝のトレーニングが終わると、それぞれシャワーを浴びて朝ごはんを食べ、学校へ。

 いつものようにツナと一緒に登校すると、教室はなんだかざわついていた。嫌な予感。

 

「持田先輩が笹川さんに告白して、それで山本君に勝負を挑んだらしいよ」

 

 親しい友人が教えてくれた。唯一ツナを馬鹿にせずに話してくれる、貴重な存在だ。

 

「なんでも、山本君と笹川さんが“お似合い”って噂が広まって、それが『付き合ってる』にまで発展してたとかで……。それ信じた持田先輩が怒っちゃったらしいの」

 

 なるほど。だから笹川京子さんも山本君も困った顔をしていたのね。

 「皆、見に行くっぽいけど、ツナも行く?」と聞くと、ツナは目を半開きにして、心底どうでもよさそうな声で言った。

 

「今日朝から走ったから……寝たい……」

 

 そう言うなり、彼は自分の席に倒れ込むように座り、ものの数秒で夢の中へ。

 その様子を見て、友人はくすっと笑い、「持ってる者の余裕ってやつかもね」と言った。

 

「……持ってる者?」

 

 思わず首をかしげた。ツナってダメダメなところばっかりじゃなかったっけ? 自分に自信もないし、ネガティブな発言ばかりだし……。

 私が疑問を口に出す前に、友人は笑って肩をすくめた。

 

「……あなたも大概ね」

 

 ……本気でどういう意味なんだろう。

 

 その間に、山本君と笹川さんが教室から出て行き、生徒たちもぞろぞろと後を追った。

 気づけば、教室には私とツナと友人、たった三人だけ。

 教師が入ってきて、その光景に本気で驚いていた。結局、授業にはならず自習に変更。私は図書館で借りた本を取り出し、読書に耽ることにした。友人はスマホをいじってゲーム三昧。

 (……もう、毎度のことだけど、この学校、崩壊しかけてない?)

 (不良が生徒会長してるとか、普通に考えて怖い……)

 関わりたくないなぁ……と、私は深く心の中で呟きながら、本に意識を戻していった。

 

※

 

 その後、持田先輩に勝ったことで、山本君の人気はうなぎ上りだった。

 最近では欠番だったバレー部にも顔を出し、女子たちは彼を見かけるたびに黄色い声をあげている。

 笹川さんとも、何かといい雰囲気らしい。噂話に過ぎないけれど、悪い気はしない。

 もちろん、本当のことは当人同士にしかわからない。でも、だからこそ無粋な詮索は控えるべきだろう。私はそっと見守ることにした。

 

 その間も、私とツナはリボーンによる特訓を欠かさず続けていた。

 ……正直、驚いている。自分でもわかるくらい、体力がついてきたのだ。

 ツナも、運動音痴なりに基礎体力がついたおかげで、ほんの少しだけ自信が持てるようになったみたい。

 

 そんなある日、新しい転校生がやって来た。

 帰国子女で、名前は獄寺隼人。

 かっこいいし、頭も良さそう――でも、どう見ても不良。関わるのは怖いな、と思っていたら……なぜかその獄寺君、寝ぼけていたツナに絡み始めた。

 

 な、なんで……? ツナ、知り合いなの? いや、でも寝ぼけてたし、やっぱり知らないのか……?

 一部の女子は色めき立っていたけれど、私は一歩引いた。うん、ああいうタイプはやっぱり怖い。

 

 そして休み時間。ツナがふらっと教室を出ていったその数分後、校舎中に響き渡る爆発音。

 私は本を置いて目を見開いた。

 友人が顔を青ざめさせながら、ボソッとつぶやいた。

 

「……ねぇ、あんたのツナ、またなんかしてるんじゃないの?」

 

 ……嫌な予感。これ、マフィアごっこが学校にまで進出してる?

 怖いけど、ツナを放っておくわけにもいかず、私は音のした方へ足を向けた。

 

 そして――目にしたのは、トランクス一丁で立ち尽くすツナと、妙に懐いている様子の獄寺君。それに、平然と佇むリボーンの姿。

 

 ……うん。何がどうなったか、さっぱりわからない。

 とりあえず、これじゃ授業に出られないから、ツナの体操着を取りに教室へ戻ろう。

 いまは、それしかできない。


 
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