二十話「因果の糸に触れる時」
一護の修行を完全に終えた夜。
尸魂界(ソウル・ソサエティ)へ向かう道を作るために色々と準備をしていると、成が珍しく地下に降りて来た。
「てて様――私、おんじの後継見習い神になるね」
「いいんスか? そうなったら、成サン……ずっとおんじサンのように生きていかなきゃいけなくなるんスよ? ボクの為だけなら、そんな甘い覚悟でなっちゃダメっスよ」
「違うよ、てて様。私……もう、昔も今の私もどっちも“私”でいいんだって思ったの。そしたら……かか様の兄の、秋次(あきつぐ)さんの事を思い出したの……」
「思い出したって、前世の成サンとどういう関係なんスか?」
「前々世の方かな。私を焼いた両親の……私の弟だった人だよ」
「……参ったな……。沖サンの兄は成サンの前々世の家族である津井原で、沖サンはその家族に仕返してしまった……そういうことっスね」
「……うん。おんじは“てて様とかか様がくっつくのは誤算だった”って言ってたけど、可能性があることは分かってて、かか様を呼んだんだよ。そして私は、そのかか様という“親戚の津井原の血筋”に産まれた。弟の秋次(あきつぐ)は、親戚に引き取られた先がかか様の家で……そこで義兄になってる。……これって、偶然って確率じゃないよ」
「出来過ぎてますね……。そして、おんじサンは分かってて、成サンの魂を沖サンのお腹に宿させた……あの人なら“一族のため”とか言いそうっスね」
「てて様。私、おんじのところで瞑想に入って、前々世の事と向き合って情報を得るから……てて様、私が得た情報で“かか様の世界”の特定、出来る?」
「一人での瞑想は危険っスよ、成サン。ボクがこの道を作り上げてから、おんじサンのところに行きましょう」
「てて様……ありがとう……」
「成サンは今日はすぐ寝てください。顔色悪いです」
「うん……やっぱり、トラウマの元凶思い出すのは……かなり負担が掛かるみたい」
あははっと無理に軽く笑う娘に、ボクはそっと近づいて、ぎゅっと抱きしめた。
昔みたいに小さかった頃、抱き上げて高い高いしていた子どもではない。ボクの胸にすっぽり収まるけれど、それでも、もう“幼いだけ”じゃない成に、少しだけ寂しさが浮かぶ。
「成サン……やっと、前世も沖サンの事も振り切れたんスね。偉いっス」
「てて様……ありがとう。あの時、コテンパンしてごめんなさい……」
「いいッスよ。娘に何かあった時、止めるのが親の務めですからね」
えへへ、と嬉しそうに笑って、成はぎゅっと抱き返す。
「てて様、大好きだよ。私の父親になってくれて……ありがとう」
それはボクも言いたいことだ。
ありがとう、成。
ボクのところに生まれて……娘になってくれて――
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BLEACHの二次創作です。
浦原喜助の娘で、成長物語です。
※浦原喜助視点です。