No.1194071

蓮が咲き行く道へ二十話

BLEACHの二次創作です。
浦原喜助の娘で、成長物語です。
※浦原喜助視点です。

2026-10-02 18:26:16 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:41   閲覧ユーザー数:41

二十話「因果の糸に触れる時」

 

 一護の修行を完全に終えた夜。

 尸魂界(ソウル・ソサエティ)へ向かう道を作るために色々と準備をしていると、成が珍しく地下に降りて来た。

 

「てて様――私、おんじの後継見習い神になるね」

「いいんスか? そうなったら、成サン……ずっとおんじサンのように生きていかなきゃいけなくなるんスよ? ボクの為だけなら、そんな甘い覚悟でなっちゃダメっスよ」

「違うよ、てて様。私……もう、昔も今の私もどっちも“私”でいいんだって思ったの。そしたら……かか様の兄の、秋次(あきつぐ)さんの事を思い出したの……」

「思い出したって、前世の成サンとどういう関係なんスか?」

「前々世の方かな。私を焼いた両親の……私の弟だった人だよ」

「……参ったな……。沖サンの兄は成サンの前々世の家族である津井原で、沖サンはその家族に仕返してしまった……そういうことっスね」

「……うん。おんじは“てて様とかか様がくっつくのは誤算だった”って言ってたけど、可能性があることは分かってて、かか様を呼んだんだよ。そして私は、そのかか様という“親戚の津井原の血筋”に産まれた。弟の秋次(あきつぐ)は、親戚に引き取られた先がかか様の家で……そこで義兄になってる。……これって、偶然って確率じゃないよ」

「出来過ぎてますね……。そして、おんじサンは分かってて、成サンの魂を沖サンのお腹に宿させた……あの人なら“一族のため”とか言いそうっスね」

「てて様。私、おんじのところで瞑想に入って、前々世の事と向き合って情報を得るから……てて様、私が得た情報で“かか様の世界”の特定、出来る?」

「一人での瞑想は危険っスよ、成サン。ボクがこの道を作り上げてから、おんじサンのところに行きましょう」

「てて様……ありがとう……」

「成サンは今日はすぐ寝てください。顔色悪いです」

「うん……やっぱり、トラウマの元凶思い出すのは……かなり負担が掛かるみたい」

 

 あははっと無理に軽く笑う娘に、ボクはそっと近づいて、ぎゅっと抱きしめた。

 

 昔みたいに小さかった頃、抱き上げて高い高いしていた子どもではない。ボクの胸にすっぽり収まるけれど、それでも、もう“幼いだけ”じゃない成に、少しだけ寂しさが浮かぶ。

 

「成サン……やっと、前世も沖サンの事も振り切れたんスね。偉いっス」

「てて様……ありがとう。あの時、コテンパンしてごめんなさい……」

「いいッスよ。娘に何かあった時、止めるのが親の務めですからね」

 

 えへへ、と嬉しそうに笑って、成はぎゅっと抱き返す。

 

「てて様、大好きだよ。私の父親になってくれて……ありがとう」

 

 それはボクも言いたいことだ。

 

 ありがとう、成。

 ボクのところに生まれて……娘になってくれて――


 
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