No.1195179

もしもZ戦士がいなかったら

Nobuさん

PHPの脆弱性に関わる二次創作風刺小説です。
エンジニアが折れたらどうなるかを書きました。

2026-10-28 09:00:01 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:43   閲覧ユーザー数:43

 

 その惑星の空に、禍々しい宇宙船の群れが現れた。

 先頭に立つのは、白い装甲に身を包んだ小柄な影。

 フリーザである。

 彼の背後には数万の兵が控えていた。

 

「ホーッホッホッホ。この星も、わたしのコレクションに加えて差し上げましょう」

 

 観測塔の警報が鳴り響いた。

 星の中枢にいた宇宙人達は顔を見合わせ、そして即座に決断した。

 

「惑星を封鎖する。全ゲートを閉じろ。防衛準備を開始する」

 

 こうして星は一時的に外界との行き来を絶った。

 交易船は足止めされ、外の星々の住人達は文句を言った。

 

「荷物が届かないぞ!」

「いつになったら開くんだ」

 

 しかし、防衛班長は静かに答えた。

 

「今だけの不便だ。この星の未来がかかっている。どうか辛抱してほしい」

 

 外の者達も、渋々ながら理解を示した。

 一時の不便さが一生の安全に繋がるのなら、必要な我慢なのかもしれない、と。

 

 しかし、防衛準備は想像以上に骨の折れる作業だった。

 監視網の再構築、古い設備の総点検、入力される全信号の検査。

 一つ終わればまた次の穴が見つかり、塞いでも塞いでも、新たな綻びが現れる。

 

「ここも危ない。あっちの古い回路もだ。どうしてこんなに穴だらけなんだ……」

「歴史が長い星だからな。つぎはぎだらけなんだ」

 

 作業員達の目の下には、深い隈ができていた。

 

 封鎖から惑星時間で三週間が過ぎた頃、一人の宇宙人が工具を床に置いた。

 

「……もう、いつまで続くんだ、これ」

「おい、手を止めるな」

「だって、終わりが見えないじゃないか。外からは苦情の嵐だ。毎日毎日、まだかまだかと……」

 

 同僚が肩を掴んだ。

 

「諦めるな! あいつがこの星を壊したら、俺達の未来はないんだぞ!」

「分かってる。分かってるよ……」

 

 その宇宙人は震える声で言った。

 あと一週間だけ、と自分に言い聞かせて、再び工具を握った。

 

 そして、四週間目。

 

「……もう、無理だ」

 

 深夜の作業室で、その宇宙人は呟いた。

 モニターには、まだ赤い警告が山ほど並んでいる。

 

「どうせこんなに長く続くなら、いっそ諦めて、全部忘れちゃえばいい」

 

 その宇宙人は、防衛システムの電源を落とした。

 

「おい、何をしている!」「疲れたんだよ。もう限界だ」

 

 その姿を見た他の者たちの心も、ぽきり、ぽきりと折れていった。

 

「……そうだな。俺達だけ頑張っても報われない」「もういいか。解放しよう」

 

 星のゲートは、何の防備もないまま、静かに開かれた。

 

 外の星々の住人達は喜んだ。

 

「やっと開いた!」「これで荷物が届くぞ」

 

 交易船が次々と着陸していく。

 その流れに紛れて、白い宇宙船もまた、悠々と降り立った。

 

「おや、随分歓迎してくださるのですね」

 

 フリーザは薄く笑った。

 閉ざされた扉も、張り巡らされた罠もない。

 あるのは穴だらけの、無防備な星だけだった。

 

「ホーッホッホッホ! では、遠慮なくいただきましょう」

 

 閃光が走った。

 星の最期は、呆気なかった。

 

「うわあああっ!」

 

 孫悟空は布団を蹴り飛ばして飛び起びた。

 全身が汗でぐっしょりだった。

 

「ちょっと、悟空さ! 赤ちゃんが起きるでねえか!」

 

 隣の揺りかごの傍で、チチが目をこすりながら振り返った。

 生まれて一ヶ月になる孫悟飯が、すやすやと眠っている。

 

「わ、わりぃ。……なあチチ、オラ、すんげえ怖え夢見ちまった」

「どんな夢だべ」

 

 悟空は夢の内容を、身振り手振りを交えて説明した。

 星を守ろうとした宇宙人達が、準備が長引いたせいで根負けして、全部やめてしまった話を。

 話を聞き終えたチチは、深い溜息をついた。

 

「悟空さ、それ、ようするに『面倒だから対策やめた』ってだけの話でねえか」「そうなんだけどよ……夢の中に出てきたフリーザ、強くねえか?」「夢の中のフリーザより、夢の中の宇宙人の方がよっぽどタチが悪いべ。大体、守るのが大変だって最初から分かってた事だべ?」「うーん、そう言われりゃそうだけど……」「一ヶ月くらいで音を上げるなんて、この子のおむつ替えの方がよっぽど毎日続くだよ」

 

 チチは眠る悟飯をそっと撫でた。

 

「守るべきもんがあるなら、面倒でも続けるしかねえんだべ。……ほれ、もう寝るだよ」

「……ああ。そうだな」

 

 悟空は布団に横になり、天井を見つめた。

 夢の中の星の住人達を思う。

 

(オラ達みてえな、守ってくれる奴がいねえ星だったら……)

 

 隣で、悟飯が小さく寝息を立てている。

 

(そんなとこ、ぜってえ嫌だな)

 

 
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