十一話「笑いと哀しみのあいだで、私だけ泣けなかった」
てて様は『改造魂魄(かいぞうこんぱく)』のコンを確保し、原作通りの人形を作って一護に渡した。
一護が買い物から戻ってきたタイミングで、いつもの調子で。
『黒崎サンの相棒(いつか影が薄くなる)には必要なんで、これオマケしておくんで使ってくださいね』
『俺を何だと思ってやがる! 父親と娘共々、俺を散々改造して弄んで、その果てにこき使いやがって! いつかお前を倒すからなッ!』
そんなやり取りの末、コンは一護に連れて行かれた。
互いに罵り合っていたので、一周回って仲がいいんだと思う。
コンには私が直々に指導しておいた。(前世は学園都市の研究者だったけど、教師みたいなこともしてた)
ついでに久しぶりに研究者の感覚に戻って、付属の能力も追加したので、戦闘でもそれなりに使えるはず。
商品回収に動かなくて済むし、雨(ウルル)は泣かずに済んだ。面倒事も起きていない。
何より、てて様はかか様の容体に集中できる。
ただ、コンには女性不信になるくらい私とてて様がイジメ倒したので、もう不埒な真似はしないと思う。
――原因は、かか様とてて様の寝室に忍び込んだから。
尸魂界(ソウルソサエティ)では今でも、かか様は“絶世の美女”って噂が残っているらしい。
コンはその真実を確かめてみたくなったんだとか。好奇心って罪深い。
てて様はとても良い笑みを浮かべながら、コンだけ一週間のご飯抜きの刑にした。
七日目のコンは、もう死んだ魚みたいな眼。改造魂魄で人形だから食事が不要なはずなのに、精神的には限界だったのだろう。
可哀想ではあったけど、てて様はかか様が大事だから、小さな不埒でも絶対に許さない。
怒らせたら怖い人だと、私も改めて思った。
※
六月十七日。黒崎真咲(くろさきまさき)さんの命日だ。
一護はこの時期が近づくとピリピリする。
――自分が殺したと、今でも思い込んでいるから。
昨日、一護の手で賞金首の虚(ホロウ)は討たれた。
その後、一心さんが一護の思い込みをまるっと包み込んで話をしたことで、
一護は死神として生きていく覚悟を、より強く固めたようだった。
けれど、まだまだ強力な虚(ホロウ)は存在する。
彼の戦いは、これからも続いていく。
その陰で、かか様は一週間の眠りにつくことになった。
消失化が、目に見えて進んでいる。
ご飯もあまり食べられなくなり、てて様は栄養剤を作ってはかか様に投与していた。
その横顔に、深い哀しみの影がよぎる瞬間がある。
私だって、日に日に弱っていくかか様を見るのは辛い。
織姫はその様子に耐えきれず、泣き出してしまった。
私だって泣きたい。泣きたいのに、泣けなかった。
――だって、私は知っている。かか様の本体は別世界で生きているということを。
……泣かないなんて、私、おかしいのかな。
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BLEACHの二次創作です。
浦原喜助の娘で、成長物語です。